- 講義名
- クラウドシステム基礎(分散システム基礎とクラウドでの活用)
- 開講学期
- 前期・集中講義
- 単位
- 1単位
- 担当教員
- 石川冬樹 (国立情報学研究所/電気通信大学)
- 講義の目的
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分散システムにおいては,場所に寄らないリソースの活用や,複製による性
能・耐故障性の向上などの利点があります.一方でそれらの利点の実現をする
ためには,一貫性などに関する課題と向き合い,複数の性質の間のト
レードオフを踏まえながら,適切な設計・実装を行っていく必要があります.
クラウドの構築や利用にあたっては,こういった分散システムの難しさと向き
合う必要が生じることがあります.
本講義ではまず,分散システムに関する基礎知識として,同期や複製管理などに
関する代表的なアプローチや,その利点,限界,トレードオフについて学びます.
これにより要求に応じて,既存のミドルウェアやサービスを活用したり,
自身で制御機構を適切に設計したりするための基礎知識と考え方を習得します.
加えて,最近のクラウドにおけるスケーラビリティ達成のための
アプローチについても紹介し,その動向について議論を行います.
- キーワード
- クラウドコンピューティング,相互運用性,分散システム,Webサービス,プロトコル,一貫性,対故障性
- 履修の条件
- 特になし
- 教科書
- Guide to Reliable Distributed Systems: Building High-Assurance Applications and Cloud-Hosted
Services K. Birman, Springer-Verlag New York, 2012
- 参考書
- A. S. Tanenbaum他著,水野 忠則他訳 「分散システム 第二版」.ピアソン桐原,2009
- 講義計画
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- 第1回 イントロダクション・相互運用性
- 分散システムの役割と難しさ
- 相互運用性(分散オブジェクト,Webサービスなど)
- 第2~4回 分散システムのプロトコル
- 分散システムのプロトコル(一貫性,耐故障性など)
- 演習
- 第5~6回 分散システムとしてのクラウド
- 第7回 議論・まとめ
- 成績評価
- 講義中の演習,および終了後のレポート課題を通して評価します.