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2013年4月24日 要件開発とコミュニケーション
4月24日 PBL2日目のテーマは「要件開発とコミュニケーション」です。
実は、要求工学・要件開発は実務の場面でも
注目されているテーマのひとつです。
従来のシステム開発では、
「要件はお客さまが出すもの」
「開発者はお客さまの要件にもとづいてシステムを作る」
という役割分担が主でした。
しかし、実際はお客さまも「欲しいものが分からない」というのは
現場ではよくあることなのです。
また社会の変化に併せて要求が変化するのも当然のこと。
それを理解し実行することは、これからのIT技術者にとって重要な視点です。
今回のPBLで東工大がポイントにしているのは、
"システム開発"を単なるコンピュータシステムの提供ではなく、
システムを通した価値提供と捉え、お客さまと一緒に要求を開発する、
というスタンスを学ぶことです。
今日の授業は、
・「価値」を意識する
・「プロセス」を理解し実践する
・「メソッド」として超上流工程の開発手法を学ぶ
これらを、REBOKやBABOK、Winston W.Royceの論文を参照しつつ、
要求工学の発展の過程および課題を学びました。
続いて、PBLで外すことのできない
「コミュニケーション」
に関する講義と演習を行いました。
コミュニケーションの構造と、誤解が生じる理由について講義で学んだあと、
実際の演習を行いました。
リーダに渡された「お題」を"言葉"のみでメンバーに伝え、「お題」を再現します。
全体像、単語の意味、単語と単語の繋がり、について、
自分たちの思い込みがどのように影響しているかを演習しました。
「まる」と言っても、大きさがどれくらいか、正円か楕円か、など、
コミュニケーションミスの原因が体感できたのではないでしょうか。
お題と成果物を見比べてみましょう。
大きさだけでなく、配置もバラバラですね。
システム開発は、もっと複雑なものを複数の人で作っていきます。
立場や役割が異なると、言葉の背景情報も異なりますので、
同じ言葉でも意図が変わります。
今日の授業では、着信主義、相手の理解を理解する、というのは、
要件開発をしていく上でも、非常に大切なことだ、と
実感したのではないでしょうか。
さぁ、どんな要求開発をしていくのか、楽しみですね!